生粋の職人、ウルトに出会って変わったこと ~伝統と最新技術が交差する、ヒトに優しい住宅とは~

生粋の職人、ウルトに出会って変わったこと ~伝統と最新技術が交差する、ヒトに優しい住宅とは~

棟梁のプライド

“かっこつけたり見栄張るために、「昔ながら」をやっている訳ではない。”
“本気をぶつけるからこそ、頑丈な家が建つ。”
“家づくりの土台は、技術よりも想いにある。”

これは大阪府四條畷にある株式会社木又工務店様のホームページ冒頭に記されている言葉で、代表取締役の木又誠次氏(以下、木又氏)は 小学生の頃から将来は大工になることを志した生粋の職人。

「世の中において、人の手で作る最大のものは家。金額が一番大きいのも家ちゃうかな。それだけに責任感もあるし誇りを持って取り組まないとあかんと思って、だから中途半端なことは絶対できひんし。」

木又氏が発する言葉にはその道を極めた人独特の説得力があり、例えるなら医者やプロスポーツ選手のような感覚に近いかもしれません。

木又工務店

「防湿シート?そんなのゴミになるだけだろ!」

幼い時から周囲に遊んでくれる若い大工のお兄さんがいたという木又氏。そんな環境からか“木造住宅はかくあるべし”や“木造なんだから構造上仕方ないこともある”という部分もあったそうだが、物は試しと2019年に施工中の住宅に使用したそうです。当初は「こんなシート、ゴミになるだけやろ!と全く信用なんかしてなかったです。仕方ないから使いました。」と完全に否定派だったという。

ところが、引き渡し後の定期点検で思いもよらないことを聞くことになる。

「元々施主さんが高血圧で悩まれていたというのは聞いていたんですが、建てた家に住んでから『血圧が下がった』とお話し頂いたんです。詳しく聞くと室温・湿度ともに安定した環境に身を置くことで、健康状態が安定したとのことでした。これには驚きました。」と、これまでの概念に一石を投じることがあったそうです。

その後、日本の断熱工法が欧州の法基準に満たないことを知って驚くと同時に、木造住宅を建てる“棟梁”として素材の性能を長持ちさせる効果があることにも気づいたとのこと。

それ以降、“木造建築でも、もっと出来ることはある”、“長持ちする家で、健康になってもらいたい”との想いが強くなり、当初は否定的だったウルト製品を採用するようになったそうです。

木又工務店

例え解体されようとも・・・

木又氏は木材本来の性能を引き出す為、使用するのは芯の部分と表皮の部分で比較的乾燥度合が等しい“低・中温乾燥材”という種類の木材を使用するそう。しかし、デメリットとして芯の部分に水分が残り、躯体内に結露が発生しやすい性質があるそうです。その為、湿度を調節する調湿シート(当初はウートップ ® SD ヴァリオを使用)が必須とのことです。

また、耐水性・耐候性に優れる点もこだわりの住宅に適していると、お話しされました。

続けて木又氏は「職人のプライドとしては、例え何かの拍子に解体されることがあった時にも、解体した人に『中身がしっかりしている家だったな』と言わせるような仕事がしたいですね。『この家は快適に過ごせる、幸せな家だったんだな』と。その為にウルト製品を使う意味はあります。」とお話し頂きました。

木又工務店

古民家リノベーションにもウルト製品を使用

木又氏は直近の取組みとして、築約200年の古民家リノベーションの取組みがあるとのこと。そこには屋根全面に『ウートップ® ハイムシールド ルーフ』を全面に、『ウートップ® ハイムシールド』を一部外壁に使用する予定とのことです。ここでも“長持ちする、快適な木の家”というコンセプトを通しながら進めていくそうです。

「地震や災害にも強くするには木材本来の性能を引き出す工法、それに適する素材で建築したいですね。」

住む人の健康と建物の長寿命化を願う職人の期待に応える製品を、私たちはこれからも多くの方に使用して頂きたい。そんな感慨深い取材となりました。

[取材協力]